村上春樹・著 講談社 2004年
旅行中に読み始めて読み終わった。読んだのは文庫版のほう。
ストーリーは「僕」とその周りのごく少数の人々の出来事をつづったもの。
主人公を含めた登場人物の多くが何かしらの欠陥を抱えている。
僕の視点から語られる淡々とした物語。
主人公が様々な喪失と再生を繰り返す。
私が読んで得られた感想は、人は不完全で一人では生きられないというシンプルなこと。
常に不完全な自分に喪失感を感じながら生き、他人と補完しながら生きているということ。
村上春樹はまだそんなに多く読んだことがないけれども、読後感が独特。
読み終わったときの達成感のようなものはない。
読んでいるときは、読んでいることが自然になる。
そして、読み終えてからも、特に読み直したいと思わない。
でも、また読み出したとしたら、それはすごく自然に読めるのだと思う。
息をするように読める作品。
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