交響詩篇エウレカセブンは2005年4月から翌2006年4月までTBS系列で50話放送されたTVアニメである。原作および制作はBONSE。監督は京田知己。基本的なデータはこちらからどうぞ。
ストーリーを簡単に話すと、冴えない毎日を送るレントン少年の家に、ある日ロボットが落ちてくる。
その、ロボットに乗っていたのはエウレカという美少女で…といった感じの話で、よくある「ボーイミーツガール」的なストーリー展開で物語がはじまる。
最終的にはレントンとエウレカを中心にした一般的にいえば狭義のセカイ系のような話に発展してゆく。
しかし、私がこの作品で注目したいのは、「未知のものを受け入れる」という視点である。
詳しくは書かないが、レントンとエウレカはある根本的な違いを持って生まれてきており、レントンはある時それに気づく。
「わからない、知らないものは怖いもの。それはみんな一緒。」と第09話ペーパームーン・シャインでティプトリーが言う。しかし、レントンはエウレカを分かりたいと、知りたいと思う。最終的には、レントンはエウレカとの根本的な、決定的な違いを飛び越えていく。「アイ キャン フライ!」と。
他者はそもそも自分とは違うものであり、多様性を容認することがポストモダンな社会の前提である。
しかし、「わからない、知らないものは怖いもの。それはみんな一緒。」であり、多様なものは相互に交わらず、自らと同じものを求めて固まっていく。あるいは、違うものを排除し、傷つけている。
レントンは、軽々とではなく、泥まみれになりながら、傷つきながら、それでも違いを飛び越していく。
50話を見終わったときに、必ず何かを飛び越したくなる。
交響詩篇エウレカセブンはそういう作品である。
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