主演:ジョシュ・ブローリン
2008年アメリカ映画
原題は「W.」。第43代アメリカ大統領、ジョージ・W・ブッシュのミドルネーム「W(テキサス訛りでダブヤ)」から取られている。
この映画はアメリカの9.11前後のブッシュ政権を断罪しようというのではなく、ブッシュJr.の人間そのものに焦点をあてた映画である。
Wは最終的にアメリカ大統領に2期当選こそしたが、その実態は「Mr.パーフェクト」パパブッシュに引け目を感じるファザコン息子。ハーバードにも親父のコネで入り、40過ぎまでろくに仕事も続かないというダメぶりである。
だけれども、この映画の主題は彼を笑い者にして、あの8年間はアメリカにとって失敗だったと忘れ去ることにあるのではないと感じた。大衆に愛される憎めない人柄を持ちながらも、意見のバラバラな閣僚達(パウエルやラムズフェルドやチェイニーなど)に振り回され、実父とすら理解しあえないその姿はむしろ哀れにさえ思える。
オバマ政権が誕生し、早くもブッシュは歴史上の人物として語られるのだなと思うと同時に、彼にとって9.11とその後の世界情勢は重荷過ぎたのかもしれないと思ってしまった。
しかし、超大国の最高権力者にそんな情けをかけてもしかたがなく、彼を選出したのは僕たちの作っていた時代の空気なのだ。
yoichi
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