2009年6月27日土曜日

ヱヴァンゲリオン新劇場版:序


庵野秀明・総監督 スタジオカラー 2007年
社会現象となったアニメーション作品『新世紀エヴァンゲリオン』の新たなる劇場版。10年を経て新に作られるエヴァの意味とは何か。
エヴァンゲリオンは97年から多くの2次的な物語・言説・作品・商品を生み出し続けてきた。これは、制作を行ったGAINAXがもともと同人的な集団としての出自を持っていること、そして、自らが商品という形で公式な2次創作を積極的に行ってきたことも関係しているだろう。
エヴァはこの10年間のアニメやサブカルチャーなどの多くの分野に対して、大きな引用元としてのデータベースを提供してきた。エヴァンゲリオンがエポックメイキングであったのは、今のデーターベース消費社会のシンボルであったことも、その1要素である。
この新劇場版の制作が、単なる作品のリニューアルとなるのか、新たなオリジナルになりうるのか。
スタジオカラーの創設により自主制作へと戻ってきた庵野監督が、この時代において2次創作でないオリジナルを作りえるのか。データベース消費社会の今後の方向性が、この作品において問われているのではないだろうか。
『ヱヴァンゲリオン新劇場版:破』の公開を前にして、改めて見直してみようと思う。

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